ブルー
多くの場所、多くの場合において、人々はブルーだった。ブルーな人々の中にはホワイトもいて、ブラックもいて、イエローなんて人もいた。多くの場所、多くの場合において、人々が求めるのはグリーンだった。グレーをときおり好み、ときおり忌み嫌っては、より多くのグリーンを求めた。それなのに、多くの場所、多くの場合において、グリーンは目減りし、目減りするにつれてグリーンを求めるブルーの声はレッドになっていった。ブルーなシルバーの増加も深刻だった。多くの場所、多くの場合において物事が多層化し、複雑になっていく途上で、ベージュやピンクの役割も移り変わっていった。数少ないゴールドな人々は、数多くのブルーな人々を見て見ぬ振りし、グリーンを切ったり貼ったりし、ブラウンの髭剃りで髭を剃った。そんなあるとき、ブルーな人々の一部が、自らをレインボーと言い出した。レインボーは多くの場所、多くの場合においてブルーだったし、ホワイトで、ブラックで、イエローだった。多くの場所、多くの場合におけるブルー同様、グリーンを求めていたし、グレーなことを少なくない場面で強要され、それはレッドなんじゃないか、と思えるような場面であっても、そのグレーさ故に黙殺されることが多くあった。レインボーの中にはゴールドもいて、そういう人は自身がレインボーであることを隠そうとしたり、逆に声高に主張したりもした。多くの場所、多くの場合において、ブルーは困惑していた。レインボーって、何色なんだ?